この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺れる金魚
第33章 ホワイトクリスマス
ゆっくりとした歩調で彼女の後を追うと、既に彼女の片手にはスマートフォンが納められておりそれからすぐに会話を始めた。
「お母さん?お父さんは近くにいる?今、佐野さんがお見えになって……ええ、そう。うん代わって」
母との会話を終えるやそのスマートフォンが佐野に手渡される。
「すみません、ありがとうございます」
一瞬触れた人差し指。
彼女が慌ててスマートフォンから手を離し、落ちそうになったのを佐野も慌てて持ち直す。
「……社長、お休みの日にすみません。実は……」
用件を話し始めようとして沙良から離れようとしたときには既に、彼女の方が先にさりげなくその場を離れていた。
そんな所すら愛おしく思ってしまう。
「お母さん?お父さんは近くにいる?今、佐野さんがお見えになって……ええ、そう。うん代わって」
母との会話を終えるやそのスマートフォンが佐野に手渡される。
「すみません、ありがとうございます」
一瞬触れた人差し指。
彼女が慌ててスマートフォンから手を離し、落ちそうになったのを佐野も慌てて持ち直す。
「……社長、お休みの日にすみません。実は……」
用件を話し始めようとして沙良から離れようとしたときには既に、彼女の方が先にさりげなくその場を離れていた。
そんな所すら愛おしく思ってしまう。