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溺れる金魚
第33章  ホワイトクリスマス
「……やっぱり今欲しい。レストランのコースとか決めてあるのか?」

「いえ、佐野さん食べてくるかもって思ってたから席だけ……」


「だったらキャンセルしよう。後でルームサービスでも取れば良い」



言いながら紗良の返事も聞かずにその手は既に彼女の服を脱がせ始めていた。

これ程可愛い妻を今抱かずにして食事だなんて、どんなお預けだ。


その手を動かしながら紗良の唇をキスで塞ぐ。

まだ幾分冷静な紗良の方がキャンセルの電話を佐野に促す。



「紗良が掛けて」

仕方無く佐野の手をほどいてハンドバッグの中にあったスマートフォンを取り出す。


「……崇志さん……電話掛けるから、その手……だめですって」



ほどいても絡めてくる佐野の手。
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