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溺れる金魚
第34章 エピローグ
無理もない。

解放されたのは、東の空に闇が去り蒼色の広がりを見せ始めた頃だった。


それなのに、もう起こされてしまった。

「まだ、眠っていたいのかい?」


背中の肌を味わうように佐野の指が触れるか触れないかの力で這い回す。


それに反応して体を捩らせながら紗良は微笑む。

「隣でこういう事をされてると眠れませんけどね」


「そうか?俺なら寝ちゃうけどな」

「じゃあ、試しにしてみましょうか?」


先程から紗良の覚醒と共に質量を増し始めていた佐野のそれを紗良がそっと撫でる。


「ぁっ……」


予期していなかった行為に佐野の声が漏れた。

「その声……可愛いです、ね。……もっと聞きたくなっちゃいます」


キスをせがみながら、先程より更に固くなったそれを指で包んで上下させながら継続した刺激を与える。
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