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溺れる金魚
第7章  友と
「起きていたのか。それなら声を掛ければ良いだろう。そんなこっそりと起きてくると良い気はしない」

まるで自らの罪を隠すように、佐野は不機嫌そうに紗良に伝えた。


「……ごめんなさい。あの、さっきは運んで下さって……その、すみませんでした」


それだけ伝えると紗良は逃げるようにシャワーを浴びに浴室へと向かった。


パソコンのモニターには何が映っていたのか……。


いずれにしてもあの彼の慌てぶりを見ると、自分に見られて困るものであるのは間違いないように思った。



自分には知られたくない、彼の秘密。





頬に伝った涙を人差し指でそっと拭った。
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