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溺れる金魚
第9章  面倒臭い男
出会った頃は、はにかみながら接してきて可愛かった。


今はあの幼さが美しさへと変わっていた。

肩甲骨を隠すほどに伸びた髪は日の光を浴びると栗色に輝く。


じっと見詰める目はアーモンド型に整い、唇は吸い付きたいほどに小振りに膨らむ。




華奢な割りに丸く膨らんだ胸に、いつも触れたいと強い衝動が襲う。



今までの人生、モテる方ではなかった。

多分このきつい目付きのせいもあるのだろうが、元々女性の扱いは苦手であったからそれだけではないのかもしれない。




だからこそ、彼女の夜の外出には気を揉んだ。



出来ることなら全てを断らさせて、カナリアのように家に閉じ込めておきたかった。



でもそんなことをすれば、この関係が更に悪化するのは目に見えていた。
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