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溺れる金魚
第10章  お仕置き……4 ~喘ぎ~
「紗良には……これじゃあ役不足かな?」

そう言ってぬるりと小指を引き抜いた。



「あっ」

全てを抜かれて解放と物足りなさを感じる。


次の瞬間、嫌な予感が走り不安そうに紗良が彼の顔を見詰めた。



紗良が何を心配しているのか、男にはすぐに分かった。


だから、敢えてそれをして見せてやる。





「あっダメっ……」


彼の手に掴み上がろうと身を起こしたが遅かった。




クンクンと小指の先を鼻に近付けて嗅いでいる。




「……っやあっ。ダメっえっ」

それでも止めようとしない彼の腕に掴もうとしたが、ギリギリのところでするりとかわされた。




「やっ、匂い……嗅がないでえっ」

漸く捕まえた彼の腕にすがって懇願する。
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