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溺れる金魚
第11章 交わり

「佐野さん、大丈夫ですか?」
玄関でだらしなく座り込む彼に、紗良は掛けよって跪いた。
帰ってくるのは明日と思っていたのに……。
「佐野、さん?」
「……なぁ紗良、君はいつまで俺をそう呼ぶ?」
意地悪く口元を歪ませながらも、真っ直ぐに見てくる瞳はいつも以上に酔っていた。
紗良……今まで一度も呼ばれた事の無いその呼び名が体を熱くする。
……もう一度、呼ばれたい。
それでもその慣れない呼び名と、彼の視線が怖くて逃げ出したいほど居心地が悪い。
「今……お水持ってきますね」
立ち上がろうとした彼女の腕を彼が捕まえる。
「きゃっ!」
バランスを崩して彼の膝の上へと倒れ込んだ。
「す、すみませ……」
直ぐにでも退けようとして体勢を立て直そうとしたのを彼が阻んだ。
玄関でだらしなく座り込む彼に、紗良は掛けよって跪いた。
帰ってくるのは明日と思っていたのに……。
「佐野、さん?」
「……なぁ紗良、君はいつまで俺をそう呼ぶ?」
意地悪く口元を歪ませながらも、真っ直ぐに見てくる瞳はいつも以上に酔っていた。
紗良……今まで一度も呼ばれた事の無いその呼び名が体を熱くする。
……もう一度、呼ばれたい。
それでもその慣れない呼び名と、彼の視線が怖くて逃げ出したいほど居心地が悪い。
「今……お水持ってきますね」
立ち上がろうとした彼女の腕を彼が捕まえる。
「きゃっ!」
バランスを崩して彼の膝の上へと倒れ込んだ。
「す、すみませ……」
直ぐにでも退けようとして体勢を立て直そうとしたのを彼が阻んだ。

