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溺れる金魚
第3章 姫金魚
それなのに。
結婚したというのに、今もまだ……。
紗良は片想いのままだった。
寝室は一緒。
ベッドも同じ。
まくらだって、三十センチと離れていない。
それなのに……。
籍を入れ、一つ屋根の下に暮らすようになって二年が経とうとしている。
それでも彼は……。
彼女に触れて来ない。触れようともしない。
キスだって、もちろん無い。
正直それ程嫌われているとは思わなかった。
婚約前は話し掛ければ笑顔も交えながら答えてくれていた。
それがいつしか、ぎくしゃくとし始めて……。
多少は自分に対する好意もあるのではないかと信じていた。
共に暮らしていれば少しは情も生まれる。
少しでも好意があれば、それがいつか僅かずつでも愛情へと変わってくれたら良いとそんな風に、簡単に思っていた。
でも実際には……。
結婚したというのに、今もまだ……。
紗良は片想いのままだった。
寝室は一緒。
ベッドも同じ。
まくらだって、三十センチと離れていない。
それなのに……。
籍を入れ、一つ屋根の下に暮らすようになって二年が経とうとしている。
それでも彼は……。
彼女に触れて来ない。触れようともしない。
キスだって、もちろん無い。
正直それ程嫌われているとは思わなかった。
婚約前は話し掛ければ笑顔も交えながら答えてくれていた。
それがいつしか、ぎくしゃくとし始めて……。
多少は自分に対する好意もあるのではないかと信じていた。
共に暮らしていれば少しは情も生まれる。
少しでも好意があれば、それがいつか僅かずつでも愛情へと変わってくれたら良いとそんな風に、簡単に思っていた。
でも実際には……。