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**情画**
第8章 別れ
「沙絵さんが居なくなって気が抜けてしまったんではないですか?」
「そうかな。どうだろう。沙織との約束も果たせたし、自己満足かな。」
「いえ、男一人で娘を育てるのは大変ですよ。自分の目標に向けて巣立って行ったんですもの、立派に育てた証ですよ。」
「そうでしょうか。
あの日を境に僕も沙絵もガラッと変わったんですよ。
貴女が出ていったのを知り、沙絵は『お母様』と泣きわめきながら僕の拘束を解いた。
部屋に閉じ籠っていると思ったら、熱を出して寝込んだんだ。
3日経ったら熱と共に、憑き物が落ちたように僕への執着がなくなってね。
学校へ行きたいと言い出したよ。
結局、きちんといけるようになるのには卒業までかかったけどね。」
「大変でしたね。逃げ出してしまってすみませんでした。」
「かえってその方が良かったのかもしれません。
二人の関係を修復し、正していくには、二人で向き合う必要があったのだと思います。
貴女はどうしていましたか。」
「子供のことでいっぱいいっぱいでした。
子供を中心とした家族という生活に変わり、何となく上手くやってこれていました。
でも…」