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**情画**
第1章 再開
「先生…思い出なんて…
ずっと…ずっと…ごめんなさい…逃げ出したままにして…」
「ああ、また泣かせてしまいましたね。ご覧なさい。」
先生が立ち上がる。
「貴女を描いていましたよ。」
色紙より一回り小さな紙に百合が描かれている。
「百合…ですか?」
水仙でないのにワタシという意味がわからなかった。
「体に訊くのが一番ですね。」
先生が振り向かれた。
少し歳を取られた…それは互いに同じだけの時を経て…
それが何の隔たりにもならないことを知る。
百合は、芯から蜜を滴らせていた。
先生の笑みは妖艶だった。
ぞくりとする美しさ、
相変わらずの儚い印象に、欲が生命力を灯す。
はっ…
先生に見とれていて、背後の気配に気づかなかった。
「いずみさん、貴女があの絵に、その意味を知りたくて来ることはわかっていたわ。
教えてあげる。
思い出させてあげる。
お父様に刻みこまれた愛を体から思い出させてあげる。」
沙絵さんが背後からワタシの体を縛る。
あっ…
帯締めでなくしっかりとした麻縄で腕ごと縛られていた。
「沙絵、痕が残る程にしちゃ駄目だよ。」