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**情画**
第3章 闇夜

ワタシは命令通りソファーに降ろされた。


「沙絵、怪我をさせちゃ駄目だ。痕をつけるのも駄目だ。それはわかってるよね。」

「はい、わかってます。お父様…」

「僕が支えなければ、いずみが危なかっただろう。」

「わかってます。ごめんなさい。」

やり取りの中、ワタシは二人の顔を見ることが出来なかった。

一瞬でも先生の胸の中に居られただけで幸せだった。
どうしよう、もう帰ったほうがいいのかもしれない。
せめて沙絵さんが怒らないように犬のまま部屋を出よう。

ワタシはソファーから降りて四つん這いになり、そこから離れた。

正座して沙絵さんを見上げた。

沙絵さんは驚いて固まっていた。

「沙絵様、失礼しました。」

頭をさげ、見ないようにして方向を変え、四つん這いで進み出した。

「いずみ…」

先生に呼ばれても振り向かなかった。

二人を見てはいけない。
見たくもない。

ワタシはそのまま進んでいった。



「待って…おかっ…いずみさん、何故帰るの?」

ワタシは答えずに進んだ。

「部屋を出るまでは奴隷よ。答えなさい。」

それも無視した。


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