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第10章 らしくない事するから

〃【心の優しい人はいつでも犠牲になる】〃



傷ついても、苦しくても、我慢して…我慢して

みんなのため、誰かのために…とかって頑張って



或は、自分さえ我慢すれば、、なんて
犠牲心持ってたりするのか？



真面目で…いつも笑顔で…みんなに優しくて



そんな人間に限って

ある日、糸が切れたかのように

何も言わずに…いなくなる

人よりもうんと早く・・・その幕を閉じる。



悔しかったんだ。



二度と取り戻せない。

もうその声を、理由（ﾜｹ）を、その心の叫びを

真実さえも…聴くことも出来ない




理不尽で…悲しくて…悔しくて・・・寂しくて。




だから俺は

〃真逆の生き方〃してやろう、って



とことん自分勝手に生きてやろうって決めたんだ。






失うことを恐れるものは…手に入れなくていい





清く…正しく…美しく・・・なんてなくていいのに




堅実で、真っ当で・・・間違いのない人生を


努力、出世、将来の可能性、安定…安泰

間違いのない道・・・


そんなもんのためにみんな何かを犠牲にしては

必死になって足掻いて守る



そんなもんは何のため？誰のため？


幸せであるため？


幸せって…なんだ？




そんなもんは…尊いその存在よりも価値があるのか？


その尊い命よりも・・・・重いものなのか？




そんなもんは・・・必死に守ったとて




足元ひとつ、欠片ひとつ

床が一つ抜けたら無残に崩れ去るんだ


その欠けたピースが

大事に思っていた、大切にしていた

そんな存在であればあるほど



地位や金や世間体…

みんなが必死に求めるそんなもんは

なんの価値も意味もなかったかのように崩れる





だから俺には執着心がない



なくなったんだ


守る価値が見いだせなくなったから



捨て去ったんだ、全部





呑気に笑ってるあなたで居れば良かったんだ

もしもそれが苦しかったなら
構わず泣き言を言えば良かったんだ

まわりの思う〃いつものあなた〃でなくても
家族は…受け入れたはずなんだ

誰かの期待するあなたでなんか
いなくて良かったんだ


ただそこに・・・いてくれるだけで良かったんだ。










『俺、会社…退職(やめ)ます』