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第10章 らしくない事するから

ねぇ・・・？

息子(ｵﾚ)が‥いなければ
その人生ってもっと軽やかだった？
背負うものとか、プレッシャーとか、よくわかんないなんかと闘って来たりしたの？

それともこんな息子で不甲斐なかったか？

なんてさ

なんて、そんな訳ないって
知ってるから俺は言わないんだよ

俺の親が、家族がそんなことを
思うワケないって当たり前にわかってるから。


でも、それを❝あんた❞に確かめられないじゃん

人生のどこをどう足掻いたって
それだけは絶対にもう叶わないじゃん


その人生に、こんな事が起こるって
もしもわかっていたら･･･知っていたら

何かを変えられたのか？

その出来事の結末を知っていたら
選択を、、歩む方向を変えられたのか？

もしもあの時ドウタラ、コウタラだったら･･
誰それの人生は、俺の人生は
こんなはずじゃなかった･･･とかって？


どれだけ御託を並べても･･･全部ノーなんだよ

そんな都合よく行かないのが

そんなに優しく出来てないのが、人生だから



だから俺だって
何が正しいかなんかわからない


わからないまま・・まだ生きてるから。


そんな事実(ｺﾄ)から
立ち直れたからの今なのか
案外受け入れる事が出来ての今なのか

それすらも、俺にはわからないよ



俺がいてよかった？本当にそう？

嫁がいても子供がいても
その胸の内って晒しきれないもんなの？

不安とか寂しいとか？なんかなの？

家族って･･･なんなんだよな。



わかんないもんはわかんないから
後悔さえ･･･しようがなかった



おんなじ血であってもさ、、
わかんないもんはわかんないんだよね


考えてもしょうがない事は
考えるのをやめた

だからもう、何も思わないし感じない



そんな俺って、どうかしてるか？




ねえ・・父さん。