パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 人間くさい生き方

『…あたしのせいで別れたみたいな
都合の良い言い方しないでよ。
子どもは？養育費とか大変なんじゃないの』



『…聡明さは変わってないね…
ははは、そんな君なら話は早いんじゃない？』



『男の人は…随分と身軽で…奔放で良いね
あたしは話すことなんかないよ。帰るね・・』



『もう、自分の幸せ考えて良い頃だろ？』




『身寄りもない、幼い弟抱えてた当時のあたしを
…受け入れてもらえて当たり前なんて
思ってなかったし、そんな人が当時いたとして
甘えるつもりもなかった・・・』



『廉…だったら』



『それでも…あたしが、あたしなりに
必死に守ろうとしたものを…切離す人と
一緒にいようとも…いたいとも思わなかった
あの時も・・・今もね』



『昔と今は違うだろう？
これも何かの縁とかタイミングじゃないかな』



『バカみたい…笑わせないで
自分に都合が良くなっただけでしょ？』



『廉…そんなツンケンするなよ、もっと君はさ…
愛らしくて…清楚でさ…そういう廉が俺は』



『誰だって…変わっていく
見た景色が…酷であればあるほど…当たり前のこと
❝誰かの望むあたし❞でなんか…いなくていい』



『廉…』



『あなたが望むあたしになんか…

あなたに都合の良いあたしになんか

絶対に・・・なるつもりはない』



『廉…待てよ』



『もう終わったことなんだよ？とっくの昔に

振り返る事ない、必要もない、、、

そもそも・・・あたしの❝しあわせ❞の枠に…

あなたはどこにもいないから・・・

決め付けてこんなことをしないで』



あたしは席を立った




ｸﾞﾗ・・・



視界がぐるっとまわる

やだな、、貧血？

こんな時に



『今日は･･･ごちそうさま…お元気で･･･』



智己に悟られないように

身体の平衡を保って店をでる