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5センチの景色
第6章 景
あまりにもきれいな西洋風の庭に
市内にこんな素敵なところがあったなんて。と
びっくりした。
一通り見た後、洋館のカフェでお茶をして
窓から見える薔薇と、目の前の良いオトコに嬉しくなって
いつもより言葉が弾む。
経管での失敗談や愚痴や面白話を
一人で話して、その話を安達さんがくすくす笑う。
「あの3人は社内で有名だもんな」
真夏が過ぎて、秋の心地いい風が吹き始めた近頃は
すっかり日の入りも早くなって
話に夢中になっていたら、外は夕焼けに染まっていた。
数時間前に見たきれいな青空の薔薇は今は朱い夕日に照らされて、
丘から見る夕日に朱く染まった横浜港もそれはそれは綺麗だった。
「すごい」
「うん。きれいだな」
私の手をそっと握って私を引き寄せる。
その行為があまりに自然で
いつまでもこの場所に居たいと思った。
夕日の時間はあまりにも短くて
「真っ暗になる前に移動しようか」
と、二人でゆっくりと丘を下った。
山下公園に降りてきて、海のほうへ向かう。
「どこに行くんですか?ランドマークに行かないんですか?」
そう聞く私に、ニヤッと笑って
「船で行かないか?」
いたずらっ子のようにワクワクした顔で乗り場まで来た。
「シーバスですか。乗ったことないです」
「俺も」
市内にこんな素敵なところがあったなんて。と
びっくりした。
一通り見た後、洋館のカフェでお茶をして
窓から見える薔薇と、目の前の良いオトコに嬉しくなって
いつもより言葉が弾む。
経管での失敗談や愚痴や面白話を
一人で話して、その話を安達さんがくすくす笑う。
「あの3人は社内で有名だもんな」
真夏が過ぎて、秋の心地いい風が吹き始めた近頃は
すっかり日の入りも早くなって
話に夢中になっていたら、外は夕焼けに染まっていた。
数時間前に見たきれいな青空の薔薇は今は朱い夕日に照らされて、
丘から見る夕日に朱く染まった横浜港もそれはそれは綺麗だった。
「すごい」
「うん。きれいだな」
私の手をそっと握って私を引き寄せる。
その行為があまりに自然で
いつまでもこの場所に居たいと思った。
夕日の時間はあまりにも短くて
「真っ暗になる前に移動しようか」
と、二人でゆっくりと丘を下った。
山下公園に降りてきて、海のほうへ向かう。
「どこに行くんですか?ランドマークに行かないんですか?」
そう聞く私に、ニヤッと笑って
「船で行かないか?」
いたずらっ子のようにワクワクした顔で乗り場まで来た。
「シーバスですか。乗ったことないです」
「俺も」