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住み込みメイドのエッチなお仕事。
第11章 温泉旅行
「いや、だったんです、すごく」
「何が」
「お客様に…抱かれるのが」

湯船の中、昭彦は涼子を後ろから抱きしめていた。

「お仕事…だし、ご指名は……ありがたいのですけど……」

泣いて落ち着いたのか、涼子はぼそりぼそりと話し出す。

「触れられても、全然、感じなくて、でも、お客様だから……怒らせるわけには、いかなくて……毎回、感じてるみたいに、演技をしてた、んです」
「演技なんかしてもバレるだろ」
「それが、バレなくて」
「はぁー?感じなかったら濡れないだろうが」
「そう、ですね」

こくんと涼子が頷く。

「だから、濡れにくいから、ってローションを、使って」
「それで納得すんの!?」
「はい、納得されてました」
「はぁー?」

マジで?と呆れたような声を上げる昭彦に頷いて、涼子は顔を俯けた。

「2ヶ月くらい、そんなことばかり、していて……特にこの1ヶ月とか…お客様にしか、抱いていただいてなくて……」

そうだった、と思い出す。出迎えに出て来なくなった涼子を探して裏庭に行ったあの日、昭彦は客の相手をした後に廊下に倒れていた涼子を見つけたのだ。

昭彦の腕が涼子の身体を抱き寄せる。

「演技、ばっかり、してたら……自分が、どういう声を出すのか、わからなくなってしまって…」

声を出したら全て演技になりそうで、怖くなったら本当に声が出なくなったのだ、と涼子は言った。

「馬鹿だなお前」
「だって」
「あんなぐっちょぐちょに濡らしといて感じてないとかありえないだろ」
「そっ……ぅう」

あからさまな言葉に顔を赤く染めて言葉を詰まらせた涼子を抱きしめて、昭彦はその細い肩に顔を埋めた。

「…脅かすなよ…」
「すみません…」
「泣くほどいやなのかと思ったろうが」
「いやだなんて、そんなこと!」

首を振って声を上げてから、涼子はハッと口を噤む。

「へぇ。いやじゃないんだ?」

揶揄する声に僅かに息を飲んで、涼子は小さく頷いた。











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