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第11章 温泉旅行

涼子は濡れやすい。含ませた指を伝って垂れるほどに濡れたそこを掻き混ぜるように動かすと、涼子は喉をひゅっと鳴らしてはビクビクと身体を跳ねさせた。

何我慢してんだか…

手で口を押さえ、涼子は声を耐えているようだった。反応が楽しかったのでそのままにしておいたが、やがて聞こえてきた嗚咽に昭彦はギョッとした。

身体を起こし顔を伺うと、真っ赤な顔をしてボロボロと涙を流している。

「なんで泣くんだよ」

ぎゅっと心臓を掴まれたような痛みが胸に走って昭彦は眉を寄せた。はじめるまでは、いや、キスをしているときは、嫌がる素振りなど涼子は見せなかった。少なくとも体に触れはじめるまでは。

快感に弱い身体は反応を示してはいても、心が拒絶するのか。

「そんなに。いやかよ」

秘部からゆっくりと指を引き抜いて離れようとする昭彦に涼子は慌てて首を振った。

「ちがっ…やっ、いかな…」

口元を押さえていた手を昭彦に伸ばす。首に絡めぎゅっと抱きついて、途端涼子はしゃくりあげて泣いた。