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愛のシンフォニー
第1章 素人童貞
「おええ~っ、おええ~っ」

恐れ多くも皇居のお堀に盛大に吐いている男がいた。

徳光徳造、24歳、音大を卒業してから本格的に音楽家として活動を始めたのだが、イマイチ売れないでいた。
音大には奨学金を貰って通っていたほどに腕は確かなのだが、いざプロの音楽家になると現実は厳しく、生活をしていけるほどは稼げない。

徳造は生活をしていくために夜はホストクラブで働いたり、流しの音楽家として酒場や路上で演奏をして暮らしている。

ホストクラブにハマる客は金持ちのマダムもいれば、風俗嬢も多い。金にモノを言わせて好みの男を自由にするマダムは正直汚いと思うが、そんなマダムに愛もなく抱かれなければ生きていけない自分も情けない。風俗嬢の中にはおカネのために風俗嬢になったのにホストなんかにハマってカネを浪費し、身を持ち崩していく者も多い。そんな風俗嬢は愚かだと思うが、そんなカノジョたちの浪費金で生きている自分も果てしなく愚かで汚いと思う。

風俗嬢にキモチよくしてとせがまれておっぱいや女の部分を舐める時はスゴく汚いと思う。
おっぱいや女の部分は風俗嬢にとっては大切な商売道具である。
いったい何人の男におっぱいを吸われ、受け入れてきたのだろうと思ってしまう。

風俗嬢に弄ばれた時には男たちの唾液や体液を感じて気持ち悪くなって今のように嘔吐をしてしまう。

金持ちのマダムに弄ばれた時もやはり気持ち悪くて嘔吐をしてしまう。
中年の女は加齢臭からか体が臭い。口づけをかわしても何だか嫌な臭いが漂ってくる。

カネにモノを言わせて何人の男とこうして遊んでいるのかと思うと余計に汚く思える。

今日はバーでの弾き語りを気に入ってくれている女社長の開催するパーティでの演奏の依頼を受けた。

女社長は貴婦人といったカンジでスゴく上品で美人だ。そんな女性に気に入っていただくとは光栄なことだし、さぞや上品なパーティだろうと行くのを楽しみにしていた。パーティは想像していたとおり上品でエレガントなものだった。

徳造の弾き語りを気に入ってくれるお客様もいっぱいいて、手作りのチラシも配れて布教活動も順調にできた。

そこまでは素晴らしいパーティだったのだが・・。

「よかったわよ。是非二次会にも来なさいよ。あたしのお気に入りのスタッフばかりの二次会だけどね」

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