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愛のシンフォニー
第12章 転生
「誤解もあっていろいろとごめん。それから、これ・・」

ヤンキー女子は取り上げていたストラップを舞華に差し出した。ストラップを受けとると舞華は大事そうにギュッと抱きしめた。

「ありがとう、助けてくれて。でも、どうしてあたしなんかを助けてくれたの?」

舞華に訊かれておしっこシーンを思い出して由志喜はドギマギして顔を赤らめる。

「もしかして、助けたのをいいことにエッチなことしようとしてたんでしょ。高校生にそんなことしたら犯罪だよ」

おしっこシーンでオナニーしたことを心の中で謝りながら、絶対にそんなことはないと由志喜は舞華の言葉を必死に否定する。

「オレたち、どこかで出会ったことないか?」

由志喜は今まで思っていたことを口に出した。
舞華は由志喜の顔をまじまじと見る。

甘く酸っぱいような、切なくて悲しいような、何とも言えない懐かしい痛みをふたりは同時に感じていた。

「絶対に助けないとと思った、助けてたかった。ただそれだけだよ」と由志喜は言った。これは本当の気持ち。

「ありがとう」と舞華は顔を赤くする。

前にも由志喜に守ってもらったことがあるような気がする。

「オレ、一応シンガソングライターやってるんだ。これからステージがあるから、よかったら見てってよ」

ヨシキのファンは意外と多くてステージには大勢の観客がいた。最前列には舞華の姿もあった。

舞華はヨシキのことは全然知らなかったけど、ヨシキの歌うラブバラードには心打たれて胸がキュンキュンしていた。

男の性を歌った曲やコンビニでエッチな本を買おうとしたら可愛い女のコの店員だった時の気持ちを歌った曲では心の底から爆笑した。

大盛況でステージと物販は終了した。
帰り支度をしていると舞華が由志喜に近づいてきた。

「きゃはは、やっぱりエッチなことばかり考えてるんじゃないの」と舞華は楽しそうに笑う。

「・・面目ない。オレも一応男だし・・」と由志喜は顔を赤らめる。

「でも、ラブソングはとっても素敵だった」

由志喜のラブソングが脳内で再生されて舞華はまた胸がキュンキュンしていた。この人とはやはりどこかで恋をしたことがあるのか・・?

「ねえ、なってあげてもいいよ。本当にあなたのカノジョになってあげてもいいよ」

と言った舞華はとても可愛くて由志喜もドキドキしている。




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