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愛のシンフォニー
第2章 美樹
「それからね、とくちゃんの音楽も大好き。ねえ、とくちゃんの音楽を聴かせて」
徳造はヴァイオリンを手にすると心静かに音楽を奏で始めた。美樹はその美しい音色に聴き惚れて幸せそうな顔をして目を閉じる。
そうか、どこかで自分の音楽を聴いて好きになってくれたのかと舞い上がるような気持ちを鎮めて徳造は心静かに優しい音色を奏でる。
今は余計なことを考えるのはやめよう。今、この瞬間、世界の中でたった一人だけ自分の音楽を聴いてくれる観客に最高の音楽を届けよう。