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愛のシンフォニー
第7章 ファントム
ー君は震えながら泣きじゃくっていたね。まるで叱られた幼子のように、まるで捨てられた子犬のように。そんな君がたまらなく愛しかった。絶対に傷つけてはいけない、絶対に守らなければいけない大切な存在。だから君が僕を愛してくれていることが嬉しかった。だけどその裏に現実が受け入れられずに君を嫌悪したがっている自分もいたんだー

「好きだの嫌いだのそんなことはどうでもいいんだよ」

「早く一発ヤレよ。ここまでお膳立てしてやってるのにさ~」

ついにファントムの魔の手は美樹のブラジャーに襲いかかった。

「やめろ~」

徳造はファントムに飛びかかるが、抵抗空しく顔面を殴られて倒れた。

美樹のブラジャーは剥ぎ取られて形のいいおっぱいが晒された。大き過ぎず小さ過ぎず、ほどよい大きさのお椀。ほんの少し色が濃くなっている乳首はプリンの上に乗っているさくらんぼのようだ。まさに徳造の好みのおっぱいがそこにはあった。

こんな形で美樹のおっぱいを見たくはなかった。
初デートの今夜はホテルに行ってついに結ばれるだった。キスをして、抱き合ってお互いの体を愛撫して、優しくブラジャーを外して美樹のおっぱいに触れる。

そんな甘い時間は無惨にも打ち砕かれて残酷な時間が流れている。
ファントムはいやらしく笑いながらついに美樹が身につけている最後の一枚の布、パンティにも魔の手を伸ばす。

「うおお~っ」

唇から流血しているのも構わずに徳造は怒りに任せて渾身のパンチをファントムに叩き込んだ。
今度はファントムが口から流血して倒れる番となった。

ファントムが怯んだ隙に徳造はバスローブで美樹の体を覆い隠す。

「やせ我慢をするな。目の前には好みの女の裸があるんだぞ」

「元々はダッチワイフを相手に愛だの恋だのとはなんと愚かな」

「さあ、欲望のままにぶちまけてしまえ。ペニスもそうしたがってるじゃないか」

ファントムは膨らんでいる徳造の股間を指さしていやらしく笑う。

徳造はつくづく自分が情けなくなった。こんな状況でも男の部分は反応して大きくなっている。
ついに見てしまった色も形も最高に美しい美樹のおっぱい、そしてバスローブ越しに感じる裸の美樹の体温に男の部品は反応しているのだ。

男という生き物は情けなくて愚かで欲望まみれなんだと思う。哀しいことに自分もまたそんな情けない生き物なんだと痛感した。




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