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愛のシンフォニー
第7章 ファントム
「確かに僕は汚い男だ。だが、美樹を、美樹を汚すことだけは許さない」
徳造は電気スタンドを振り回してファントムを牽制して、その隙にガウンを取って美樹に着せた。少しでも美樹の体が隠れるように。
「逃げよう」
徳造は美樹の手を取ってホテルから逃げようと走り出した。
「おのれ~」
ファントムたちは怒って爪を尖らせてふたりに襲いかかる。
徳造は咄嗟に十字架のキーホルダーを取り出してファントムに見せつけた。金色に光る十字架にファントムは怯む。
よく漫画やアニメで悪魔やモンスターが十字架に怯むシーンがあるが、本当に効くものだと感心する。
この十字架のキーホルダーは貴美子に貰ったものだから本当は美樹とのデートには持ち歩きたくなかった。でも、美樹がセンスがいいとか、徳造によく似合うとか言って気に入るものだから、他の女に貰ったものだとは言い出せずに持ち歩く羽目になったものだ。
そのキーホルダーに、つまりは貴美子に救ってもらうとは何とも皮肉なことだが、今は貴美子のセンスに素直に感謝した。
「美樹、早く走るんだ」
「とくちゃん」
ふたりは手を繋いで夜の街を駆け抜けた。
まるで駆け落ちをしている恋人のようにしっかりと手を繋いで駆け抜けた。
美樹の手を強く握りながら徳造は彼女への揺るぎない愛を確信していた。
たとえ正体がどうであれ美樹を守りたいと思っていた。
徳造は電気スタンドを振り回してファントムを牽制して、その隙にガウンを取って美樹に着せた。少しでも美樹の体が隠れるように。
「逃げよう」
徳造は美樹の手を取ってホテルから逃げようと走り出した。
「おのれ~」
ファントムたちは怒って爪を尖らせてふたりに襲いかかる。
徳造は咄嗟に十字架のキーホルダーを取り出してファントムに見せつけた。金色に光る十字架にファントムは怯む。
よく漫画やアニメで悪魔やモンスターが十字架に怯むシーンがあるが、本当に効くものだと感心する。
この十字架のキーホルダーは貴美子に貰ったものだから本当は美樹とのデートには持ち歩きたくなかった。でも、美樹がセンスがいいとか、徳造によく似合うとか言って気に入るものだから、他の女に貰ったものだとは言い出せずに持ち歩く羽目になったものだ。
そのキーホルダーに、つまりは貴美子に救ってもらうとは何とも皮肉なことだが、今は貴美子のセンスに素直に感謝した。
「美樹、早く走るんだ」
「とくちゃん」
ふたりは手を繋いで夜の街を駆け抜けた。
まるで駆け落ちをしている恋人のようにしっかりと手を繋いで駆け抜けた。
美樹の手を強く握りながら徳造は彼女への揺るぎない愛を確信していた。
たとえ正体がどうであれ美樹を守りたいと思っていた。