この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛のシンフォニー
第8章 ラブソング
ふたりはやっとのことでアパートまで帰ってきた。
徳造は美樹に服を着せてあげる。
女物の服なんて持っていないから大きめのトレーナーを着ることになる。
「ごめんね、ありがとう」
美樹はブカブカのトレーナーを着て少し恥ずかしそうに顔を赤くして微笑んだ。その微笑みがとっても可愛くて徳造は思わず美樹を抱きしめた。
「あたし、コスプレ変身ならできるんだけど・・」
と美樹が小声で呟いたのを徳造は聞き逃さなかった。
そういえば最初に出会った頃はよくセーラー服や体操服やスクール水着と徳造の好みの格好に早変わりしていたなと思い出した。
もう随分前のことのように思えるが、まだ一週間前のことである。
たった一週間、その間に燃えるような恋をして美樹は命をかけても守りたい世界で一番大切な存在になっていた。恋に時間は関係ない。
「そうだよね、いろんな衣裳に変身できるんだよね」
「またとくちゃんの好みの格好になろうか?」
ふたりは顔を見合わせて微笑みをかわした。
ずっと不思議に思っていたけど、ファントムが徳造を誘惑して種を出させるために作ったのならそのための魔力があっても不思議じゃないと解ったような気がする。
「でも、あたしこの方がいいな。トレーナー借りててもいい?」
美樹はブカブカのトレーナー姿で顔を赤くする。
徳造もその方がいいと思った。ブカブカのトレーナーを着ている美樹を見ると初めてカノジョが泊まりにきたみたいで何だか嬉しいし萌える。
「あいてて、いて~っ」
忘れていたけどファントムにやられてあちこちを怪我していた。血も流れている。こうして安堵の時間を過ごしていると急に痛みを感じるものだと思いながら徳造は顔をしかめる。
「ごめんね、あたしのせいだ。痛いよね、大丈夫?」
美樹が徳造の傷を優しく手当てしてくれる。
「心配ないよ、大丈夫。君こそ大丈夫か?」
徳造もまた美樹の体をいたわる。
お互いの体をいたわり合いながらふたりは自然に唇を近づける。
「あたしね、とくちゃんと普通の恋がしたかった。いっぱい、いっぱいとくちゃんのことが好きで、とくちゃんもあたしのことをいっぱい、いっぱい好きになるの。それで、ふたりはいっぱい、いっぱいデートして・・バカだよね、ファントムに創られた傀儡のあたしが普通の恋だなんて・・」
美樹はそう言って大粒の涙を流した。
徳造は美樹に服を着せてあげる。
女物の服なんて持っていないから大きめのトレーナーを着ることになる。
「ごめんね、ありがとう」
美樹はブカブカのトレーナーを着て少し恥ずかしそうに顔を赤くして微笑んだ。その微笑みがとっても可愛くて徳造は思わず美樹を抱きしめた。
「あたし、コスプレ変身ならできるんだけど・・」
と美樹が小声で呟いたのを徳造は聞き逃さなかった。
そういえば最初に出会った頃はよくセーラー服や体操服やスクール水着と徳造の好みの格好に早変わりしていたなと思い出した。
もう随分前のことのように思えるが、まだ一週間前のことである。
たった一週間、その間に燃えるような恋をして美樹は命をかけても守りたい世界で一番大切な存在になっていた。恋に時間は関係ない。
「そうだよね、いろんな衣裳に変身できるんだよね」
「またとくちゃんの好みの格好になろうか?」
ふたりは顔を見合わせて微笑みをかわした。
ずっと不思議に思っていたけど、ファントムが徳造を誘惑して種を出させるために作ったのならそのための魔力があっても不思議じゃないと解ったような気がする。
「でも、あたしこの方がいいな。トレーナー借りててもいい?」
美樹はブカブカのトレーナー姿で顔を赤くする。
徳造もその方がいいと思った。ブカブカのトレーナーを着ている美樹を見ると初めてカノジョが泊まりにきたみたいで何だか嬉しいし萌える。
「あいてて、いて~っ」
忘れていたけどファントムにやられてあちこちを怪我していた。血も流れている。こうして安堵の時間を過ごしていると急に痛みを感じるものだと思いながら徳造は顔をしかめる。
「ごめんね、あたしのせいだ。痛いよね、大丈夫?」
美樹が徳造の傷を優しく手当てしてくれる。
「心配ないよ、大丈夫。君こそ大丈夫か?」
徳造もまた美樹の体をいたわる。
お互いの体をいたわり合いながらふたりは自然に唇を近づける。
「あたしね、とくちゃんと普通の恋がしたかった。いっぱい、いっぱいとくちゃんのことが好きで、とくちゃんもあたしのことをいっぱい、いっぱい好きになるの。それで、ふたりはいっぱい、いっぱいデートして・・バカだよね、ファントムに創られた傀儡のあたしが普通の恋だなんて・・」
美樹はそう言って大粒の涙を流した。