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愛のシンフォニー
第8章 ラブソング
苛めているのは誰?解らない。
大勢の女の前で徳造は素っ裸に剥かれている。
女たちは徳造の男の部分を見て愉快そうに笑っている。

まだ陰毛も生えていない、当然にオナニーも知らない徳造の男の部分は女たちに悪戯される。
そして、徳造のペニスは淫乱な年増女の生け贄にされる。

こんなものは童貞卒業でも何でもない。
凌辱されたに過ぎない。
これが徳造の不幸な初射精・・

「・・ちゃん、とくちゃん」

美樹を抱きしめながらフラッシュバックに奪われていた徳造は自分を呼ぶ可愛い声に我を取り戻した。

「どうしたの?大丈夫?」
美樹が心配そうな顔をして徳造を見つめている。

「ごめんね、何でもない」
と微笑んで返しながら徳造はどうしてあんなフラッシュバックが起きたのか不思議に思った。

「あたし、とくちゃんの演奏が聴きたいな。とくちゃんの音楽は幸せと愛がいっぱい溢れているから」

「うん、分かったよ」

徳造は優しく答えてヴァイオリンの仕度をする。

暖かくて優しい音色は美樹にとって最高に癒される安堵の場所だった。幸せそうに目を閉じる美樹。
ふたりだけの音楽会は最高のラブソングが流れる至福の時間だった。

いつしか演奏も終わりふたりは寄り添って眠りに落ちようとしていた。

が、窓ガラスが叩き割られる悪魔のような騒音にふたりは目を醒ました。

「ヒヒヒ、見ぃつけた」

割れた窓からファントムが侵入してきた。
信じられないことに3階にある部屋の窓を宙に浮かんで叩き割り、ガラスの破片が体に当たっても傷ひとつ負っていない。

「ど、どうして・・」

「どうしてここが分かったかって」
「くくく、分かるんだよ」
「我々は君自身なのだからね」

驚愕しているふたりを嘲笑うかのようにファントムは言った。

「ど、どういうことだ・・」
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