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女王のレッスン
第4章 ■仕事のケンガク
「……待っ、て、稜く……」
「何?」
稜くんが結衣子さんの前に出ようとこちらの方を見た瞬間、私と視線が合って、でもすぐそれは結衣子さんに向けられた。
戻ろうかとも思ったけど動揺が酷くうまく足が動かせない。しかも私に気付いたのに、稜くんはやめる気配がない。
結衣子さんは髪を緩くアップにした下着姿。後手縛り。胸縄もされている。
「結衣子女王様を目当てに来たお客さんが卒倒しそうな顔してますけど」
稜くんは少し高い位置から結衣子さんを見下ろして顎を掴み上を向かせた。
蛇みたいな目。細くして嗤ってる。
「はっ……」
「……結衣子さん」
稜くんもする。あの目が離せなくなる見つめ方。
「やめ……ぅく……っ」
「舌出して下さい。結衣子さん」
「いや……恥ず……か……」
「なら、目隠ししてあげる」
ベッドサイドに置かれた箱から、稜くんはアイマスクを取って結衣子さんに着けた。
そして私に向かって指を唇に当てシーッというポーズの後に手で招く。
知ってはいけない気がして、でも知りたくもあった。
なんでこのふたりなんだろう、と。
だって結衣子さんは、瑛二さんなんじゃないの、と。
「これで見えませんから」
興味本位は身を滅ぼす。痛いほど知ってる。思い知った。
だけど困ったことに好奇心が勝った。
見せようとしてるってことは、知れってことだ。稜くんのそれも、結衣子さんのそれも。
「あぅっ……ひっ、い、やあぁぁ……」
稜くんがこちらを見てから結衣子さんの耳に齧りつき、音をぴちゃぴちゃと立てて舐め回す。
入るなら、今の内に入れ、と。