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女王のレッスン
第5章 ■努力のタマモノ
「ルカちゃん、後手縛り初めて?」
「うん。どう?」
「なかなか。でも胸の下の縄の背中側、留めるのに何度も潜らせてるよね?」
「そうだね。ごめん、もしかして痛かった?」
「痛いわけじゃないけど、もうちょっとテンション取ってもいいかも。素肌だと擦れちゃったりするんだ」
指摘された箇所に触れる。何度も縄と背中の間を通した場所。
「ここ?」
「そうそう。でも他は平気!やっぱ器用だねぇ」
「ありがとう。一回解く」
縛られる方も先生みたい。その内結衣子さんと稜くんも見に来て、色んなアドバイスを受けていった。
数日経ったとはいえ、この3人を同時に見るのはやっぱり少し複雑な思いがあるのは否めない。
途中からお客さんも来て、頷き、ニヤニヤし、時折好みなんかの意見も出て、正解がないという理由を見せ付けられる。
それも落ち着く頃結衣子さんの声が掛かり、この日の講習はお開きになった。
「ルカ。最初に縄チェックする時、今度から縄尻の結び目もちゃんと見ろよ。そうそうないけど解けたら危ない」
「ああ、これもストッパーにしてるよね。結び方教わってないよ」
「ん?そうか。じゃあルカはそれやって終わろうか。3人は戻る?」
「うん、結衣子さんのヘルプ入る。ありがと千堂さん」
「じゃあカナもー。ハルちゃんも?」
「裏で休んでから行く。またね、ルカちゃん」
ルカ呼びが定着していくなぁ、と思いながら「またね」と3人に手を振る。
奥のテーブルが賑わいを見せ始め、私達の元へ結衣子さんが縄を手に近付いた。
「そっちの縄でいい?捨てようとしてる2mあるけど」
「助かる」
差し出された縄をするすると解き、「いいか」と見せる。
「簡単だけどな。結び目を作りたい場所を決めて輪っかにしたら手前に2回転。その穴の中に縄尻を通して引く」
言った通りのことをそのままして、縄を左右に引くと、インフィニティのような形の結び目が出来た。
「……だけ?」
「そう。やってみろ」
輪を作って2回転。穴に縄尻を通して引く。