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女王のレッスン
第1章 ■最初のレッスン
「では本日の講習はここまで。また来週も同じ時間で講習だけありますのでよければ是非」
瑛二さんとカナちゃんが一礼して、講習会が終了した。
最後はそれなりに和やかになったけど、少しピリッとした感じは否めない。
この人の緊張感が伝染してくるよう。
「遥香ちゃん。俺トイレ行ってくる」
「うん。待ってる」
周りはみんな立ち上がって散り散りになったけど、私はなんとなくその場から動けなくて、カナちゃんと瑛二さんが縄を片付けるのをぼんやりと見ていた。
「君たちはセフレ?カップル?」
視線に気付いたのか、瑛二さんが私に問い掛ける。
「……カップルです」
「ふうん」
「どうしてですか?」
「んー、……いや、なんとなく」
言葉を濁した物言いに首を傾げた。
「瑛二さんその曖昧な言い方ほんとウザい」
「カナ、お前ウザいとか言うな」
「ねー遥香ちゃん。わかんないよね、そんなこと言われちゃっても」
「はあ、わかんない……ですね」
カナちゃんの言葉も手伝って余計に混乱する。一体何が言いたいんだろう。
暫く瑛二さんは縄をくるくると手繰りながら考えていたみたいだけど、ひとつ溜息を吐いて私を向いた。
「お前、愛してないだろう」
「え?」
「彼のこと。違う?」
不意を突かれて目を見開く。
この人は今、愛してないだろうって言った?
「気付いてない?」
「なっ……、なんでそんなこと……」
「じゃあまだなだけかな」
「そんなことない!今日だって、彼が縛られてみたいって言うから来て、それで……」
「本当に何も感じなかった?」
「言われたことをするので精一杯でそんなの何も――」
「ならいずれわかるよ。断言してもいい」