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鳥籠の中で舞る
第1章 『悪夢』

「はじめましてだね。アリス」
ぐしゃっと笑って私に笑いかけるその笑顔は今まで出会った中で断トツの破壊力があった。
「初めまして。彼方様」
「ようこそ本郷家へ。って言ってもそんな心の準備なんか出来てるわけないよな」
俯いてた顔を上にあげ彼方様の方を見る。
「ごめんね。急にこんなことになってしまって…アリスにとっては過酷な決断をさせてしまったかもしれないのに」
涙が出てきた。
あの家は3歳からママが死んじゃうまで色んな事をしたのだ。
あそこを取られ、仲の良かった家政婦さんまで取り上げた彼方様を本当は嫌いたかった。
でも彼方様はしっかり私の気持ちも考えていてくれた。
それだけなのに何故か心がきゅっとなった。

