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鳥籠の中で舞る
第1章 『悪夢』

「あの家はアリスのものだ。アリスの自由にしていいからね」
「家に帰ってもいいのですか?」
「帰りたいと思う時に帰りなさい。それは君の自由だから」
「彼方様…」
「でもその代わり僕も僕の自由でやらせてもらうよ」
その瞬間ゾワっとした。
彼方様の目がきらっとひかった気がした。
まるで獲物を見るみたいな目で見られて動きが鈍った。
「こっちにおいでアリス。ほら僕の所へ」
行きたくないのに何故か怖くて前に足が出る。
行かないと殺されるんじゃないかという恐怖さえ出てきた。
冷や汗が止まらない。
そして彼方様の前に着くと彼方様が微笑んで私にこう言った。
「アリス鳥籠へようこそ」

