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鳥籠の中で舞る
第1章 『悪夢』

あの日声をかけられた。
「高木 アリスさんですか?」
背丈の高いピシッとスーツを着こなした、老人が私に声をかけてきた。
私の知り合いにこんな人はおらず、高級感が漂っている。
「高木 ユウカ様の命によりあなた様を迎えにまいりました」
「何の話ですか」
警戒態勢は解かず相手の考えを探る。
ママは二年前に他界している。
それなりのお金持ちで、ママのお父さんとお母さんの遺産で暮らしていた。
もちろんママも働いてはいたが、三年前に体を壊し会社を譲った。
現在私はお手伝いさんと2人暮らし。
パパは私が3歳の頃亡くなっている。
原因は事故。
「八年前あなた様がまだ九つの頃、お約束がありました。17になったアリス様を本郷家の花嫁候補として迎え入れると」
「えっ?」
「一ヶ月後、貴方様の誕生日がございます。その日本郷家の次男である本郷彼方様とご婚約するために貴方様を迎えに来た次第です」
え、ぇぇぇぇ!!??

