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11時間空の旅
第3章 ☆あと9時間
反対側からCAさんがカートを押してこちらへ向かってくる。

(あ、よけなくっちゃ)

途中のギャレー(飛行機内のキッチンのようなところ)で彼は立ち止って
私の手を引っ張り寄せた。

すこし酔っちゃってる私はふらふらっとしてたから、引っ張られたいきおいで
彼の胸元に、すぽっと入ってしまった。

「あ、ごめんなさい」
「大丈夫だよ。もしかして具合悪いの?」

「いえ・・大丈夫だと思います」
「でもさ、顔真っ赤だし、それに、心臓の音すごいよ」

って。

「いや、えっと、それは、きっとお酒を飲んじゃったからで・・・・・」
「あ、お酒駄目だった?ごめん。なんか、飲みたいのかなって思って」

「ち、ちがうんです、勝手にお水だと思って勢いよく飲んじゃったので」

「そっか。大丈夫?でも、ごめんね。水もらってくるよ。ここに少しいて?」
「は、はい・・・」

全然知り合いじゃない人にさっきは腰を抱えられ、
今度は手をつながれ、そして胸にダイブ。

(ドキドキしすぎて心臓が飛び出そう)

お隣さん、お水の入ったコップを持って戻ってきた。

「はい。どうぞ。ゆっくり飲んだら席にもどろう」
「はい」
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