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第55章 プロポーズの甘い夜

「ごめんなさい。」

「彩香は、謝らなくていいんだよ。

どうして泣いているのか教えてくれないか？」

「うん。」

しばらく無言が続いたけど、

ポツポツと話し出した。

「真と結婚するんだと思って、

幸せだなぁって思ってた。」

ほろほろ涙を流しながら

「真の幸せそうな寝顔を見ていたら、

これからの彩香の会社での立ち位置が

気になり出して、妬みそねみが

酷くならないか心配になってきて、

怖い気持ちと、悲しい気持ちが、

幸せだと思う気持ちを上回ってしまって、

涙が止まらなくなっちゃったの

ごめんなさい。」

「謝らないといかないのは、俺の方だよ。

彩香に、いつも辛い思いをさせて、

本当に申し訳ない。

愛する女性一人守れない俺は、

本当に情けない奴だよ。

ごめん。

彩香？俺、考えてることがあるんだけど

聞いてくれる？」