パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第5章 いよいよ本当に出張です。バカカップル暫しのお別れ

彩香は、涙を堪えて、化粧室に飛び込んだ。

個室に入り、鍵を閉め、水を流しながら、

嗚咽を堪えきれず、大泣きした。

「寂しいよぉ～～わぁ～～ん」

人が聞いたら、バカな奴だと言うだろう？

子供じゃあるまいし、たった一日会えないだけで、

たった一晩一緒に寝れないだけで、

一生の別れでもないのに大袈裟なんだよ！

そんな声が、あちらこちらから

聞こえてきそうだった。

でも、それは他人の考えであって、人それぞれ

考え方も違うわけで、人を思う気持ちも違うし、

愛し方も違う。互いが互いを長らく

思いあっていたわけで、互いに片思いをしていた。

やっと両思いになったとこで、離れ離れになる。

二人にとっては大事件だった。

寂しいと思って何が悪い？

体を半分持っていかれたみたいに思って何が悪い？

大泣きして何が悪い？

愛し合ってるんだ！何が悪い？

バカカップルで何が悪い？

そんなことを思いながら、彩香は一人泣いていた。