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第32章 彩香、悲しみの中へ

彩香は、心臓が口から出るんじゃないかと

思うくらい、ドキドキした。

専務に、おでこだけどキスされた！

こんな夢みたいなこと、ドキドキ、ドキドキ

恥ずかしくて、顔をあげれなかった。

「彩香？顔見せてよ。検査、辛くなかった？」

「大丈夫でした。」下を向いたまま返事した。

「そう、良かった。パジャマあったよ。

彩香の好きな、タオル地のワンピースも

持ってきたよ。下着も、ごめんね

引き出し開けちゃった。

俺的には、毎日見てるから、

気にならないんだけど、

今の彩香にとつて俺は他人だからね。

圭子さんに一緒に行ってもらえば良かったね？

気づくのが遅かった(笑)」

「ありがとうございます。恥ずかしいけど、

大丈夫です。」

「後、化粧品、洗面所にあったのを持ってきた。」

「専務、ありがとうございました。

私、専務と生活してるんですね？

どうして、覚えてないんだろ？

ごめんなさい。」