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毒蜜喰らわば
第11章 蛍庭園が引き寄せるもの
その日の私達はいつも以上に激しく求め合った。
たぶん、進や雅斗に出くわしてしまった事が引き金になったのかもしれない。
穏やかさを封印したかのように茂は荒々しく私を求め、
恥ずかしさも遠慮もかなぐり捨てるようにして欲に溺れていた。
私も私で催促するかのように自ら体を大きく開いて男の体を欲しがった。
必死に、必死に欲しがった。
それはまるで・・
いよいよ訪れるかもしれない別れを予感しているかのようだった。
頂点に行きついた後、茂の腕の中でまどろむ私に、ぽつりと茂が呟いた。
「とうとう他人に知られてしまったんだね・・なんだか・・
彼らとの出会いが僕らの終りの合図のような気がする・・」
「・・どうして?どうしてそんな事言うの?
偶然知り合いに会っただけじゃない?私達がどんな間柄なのかなんて
彼らは知らないじゃない!終わりだなんて・・終わりだなんて・・」
自分でも驚くくらい声を荒げ、茂に背を向けた。
終りなんて考えたくもない、終わりという日が来るなんて・・
「だけど・・」
けだるそうに体を起こした茂は、私の隣りで寂しそうに背中を丸めた。
「君にも僕にも恋人がいる・・それぞれの相手のもとへ帰っていく時はくるはずだよ」
背中を向けベッドに横たわったまま、私は涙を流した。
私も、本当はわかっているのだ。
遠くない将来、二人は広い空の端と端に
別れて飛んでいかねばならない事を・・・