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毒蜜喰らわば
第13章 別れも幸せも成就
「楠木さん、あらためて、おめでとうございます。どうかお幸せに。
私も楠木さんたちに早く追いついて彼と幸せになれるよう頑張ります。
楠木さんも祈っていてね」
晴れやかな声音が晴れやかな表情を生む。
私を見つめる茂に笑顔が戻った。そして大きく頷いてくれた。
「美智の・・稲村さんの幸せ、僕も応援しているから。
あ、でも・・もしかしたら近い将来なんじゃないのかな?」
「えぇ?そんな、気を使わなくたっていいのよ、私達はまだまだ・・」
まだ私達の間では、結婚という話は話題に上らない。
相変わらず、一緒にいられることで満足しきっている雅治を、
せっつくこともなくなったというのに。
「言いそびれてたんだけど・・蛍庭園でキミの知り合いに会ったでしょ、あの夜
夢をみたんだ。稲村さんが去っていく夢・・
幸せになるの、さようならって、ふわふわ浮く様な足取りで、遠くなっていくんだ。
これ、ちょっと不思議なんだけど、その時の稲村さんは着物姿だったんだ。
綺麗な着物を着て髪を結って」
私も楠木さんたちに早く追いついて彼と幸せになれるよう頑張ります。
楠木さんも祈っていてね」
晴れやかな声音が晴れやかな表情を生む。
私を見つめる茂に笑顔が戻った。そして大きく頷いてくれた。
「美智の・・稲村さんの幸せ、僕も応援しているから。
あ、でも・・もしかしたら近い将来なんじゃないのかな?」
「えぇ?そんな、気を使わなくたっていいのよ、私達はまだまだ・・」
まだ私達の間では、結婚という話は話題に上らない。
相変わらず、一緒にいられることで満足しきっている雅治を、
せっつくこともなくなったというのに。
「言いそびれてたんだけど・・蛍庭園でキミの知り合いに会ったでしょ、あの夜
夢をみたんだ。稲村さんが去っていく夢・・
幸せになるの、さようならって、ふわふわ浮く様な足取りで、遠くなっていくんだ。
これ、ちょっと不思議なんだけど、その時の稲村さんは着物姿だったんだ。
綺麗な着物を着て髪を結って」