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毒蜜喰らわば
第13章 別れも幸せも成就
「そういえば、なんとか神社に去年お参りに行ったって言ってただろ?
 その御利益の表れなのかなあ」

「よく覚えてるわね、でも違うよ、神社のおかげでも御利益でもない。
 雅治のおかげだよ。雅治が私の願いを叶えてくれたんだよ」

きっかけを作ったのは、もしかしたら恋願神社なのかもしれないが
この幸せは祈りの産物ではない。
私を長い間愛し続けてくれた雅治が叶えてくれた現実なのだ。

「雅治、これからもよろしくお願いします。一生、死ぬまで私と一緒にいてね」

大袈裟だな、と声をあげて笑う雅治だが、
その目にきらりと光るものが見えたのは気のせいではない。
喜びの涙は、左手の薬指に光るダイヤよりも輝いていた。

「それにしても・・急展開にちょっとびっくりした・・
 ねえ、なにかこれっていうきっかけでもあったの?」

指輪をはめた手を宙で揺らして光の瞬きを楽しみながら、
私は雅治に軽い気持ちで問いかけた。

「夢・・」

「えっ?」

かかげた手から腕にかけて、先端から凍りついていくような感覚が私を襲う。
またしても夢、夢が・・・
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