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毒蜜喰らわば
第13章 別れも幸せも成就

「これ・・3ヶ月分より安いけど・・」
雅治がつまみ出したのは、小さいけれどまばゆい光を放っている
ダイヤの指輪だった。
「サイズ、合ってるかな」
言いながら私の鼻先につきつける。
もっとムード出してよ、もっと何か言ってよ、とあれこれ要求を突き付けようにも
嬉しさと驚きとこみ上げる涙で言葉にならなかった。
「長いこと待たせたけれど、ようやく自分の中で自信ができた。
美智と一緒にこの先もずっといられる自信が。
幸せにする、っていう言い方は好きじゃない。一緒に幸せになろう。
美智、結婚しよう」
うん、と頷いて左手を突き出す。
雅治がはめてよ、と薬指を揺らして催促すると、
指先をつまんでぎこちない動作で指輪をすべらせた。
宙にかざした小さな光の粒を見た時、久しぶりに茂の事を思い出した。
幸せは近い将来やって来るんじゃないか、と言った彼の言葉は、
こんなにも早く現実となったのだ。
雅治がつまみ出したのは、小さいけれどまばゆい光を放っている
ダイヤの指輪だった。
「サイズ、合ってるかな」
言いながら私の鼻先につきつける。
もっとムード出してよ、もっと何か言ってよ、とあれこれ要求を突き付けようにも
嬉しさと驚きとこみ上げる涙で言葉にならなかった。
「長いこと待たせたけれど、ようやく自分の中で自信ができた。
美智と一緒にこの先もずっといられる自信が。
幸せにする、っていう言い方は好きじゃない。一緒に幸せになろう。
美智、結婚しよう」
うん、と頷いて左手を突き出す。
雅治がはめてよ、と薬指を揺らして催促すると、
指先をつまんでぎこちない動作で指輪をすべらせた。
宙にかざした小さな光の粒を見た時、久しぶりに茂の事を思い出した。
幸せは近い将来やって来るんじゃないか、と言った彼の言葉は、
こんなにも早く現実となったのだ。

