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毒蜜喰らわば
第3章 夢から繋がる出会い
顔から汗も血も流れるような圧迫感に目が覚めた。
「・・なんだ、夢か・・」
どうやら私は夢を見ていた。
それも咲枝とお参りをした、あの恋願神社が夢の舞台となっていたのだ。
今日の出来事がよほど印象に残っていたのか興奮冷め止まぬ感じだったのか
わからないが、お参りを終えた咲枝と2人で鳥居にむかって歩いていると
参道の脇に小さなお社があるのを見つけたという夢だった。
それも私にだけ見えるという不思議なものだ。
実際には、そんなお社は見ていない。
もしかしたらあったのかもしれないが2人とも気づかなかった。
それにしても気になるのが、私の手を握った、男の手。
そして目覚める直前に見た、ぼんやりとした影の男の人。
雅治じゃなかった。
誰なんだろう・・?
それよりもどうしてそんな夢を見たのだろう。
不思議だ。
夢はいつでも不思議なものだけど・・
なんだか今のは現実とリンクしているようで、少し気味の悪さも感じる。
・・あっ!そういえば・・
急に思い出した。
手。
今夢の中でも手を握られたけど、昼間、御神木に触れた時にも
誰かの手が触れたんだ。
これって・・なに?
なにかの知らせ、予知みたいな事?
思わず身震いをし、あらためて時計を見る。夜中の3時半。
丑三つ時、それが更なる怖さを誘う。
とにかく何も考えず早く寝ちゃおう。
布団を頭まですっぽりかぶって、早く眠れますようにと体を丸めた。