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毒蜜喰らわば
第4章 祈りの効果
極端にどちらか、といったら私自身は淡白なほうだ。
自分からグイグイと体を押し付け愛撫を欲しがるタイプではない。
求められれば応じるけど、自ら足を広げて迎え入れることは
若い時もした事がない。

それが、この前は違った。
2人で重なる事を想像しただけなのにあふれ出そうになるくらい、
体の芯が濡れたのだ。
まさに、人が変わったみたいに。

「雅治もね、いつもと目つきが違うって、やりたそうな目をしてたって・・」

小さくなった語尾をしっかりと聞き取った咲枝は、
声に出さずに見開いた目で驚きを表した。

「やっぱりお参りの御利益だよ。
 お守りだけじゃなくってさ、御神木のパワーがしっかり入ったってことなんだよ、
 きっと。よかったじゃん!」

うらやましいうらやましいと呟きながら、咲枝は再びパエリアのおこげと格闘しだした。
そうだね、と頬をたるませながら私は、
恋願神社の赤い鳥居と、そしてなぜか、夢の中に出てきた小さなお社の残像を、
頭の中で見ていた。


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