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毒蜜喰らわば
第1章 パワースポットでの怪
*
地下鉄の駅近くまで戻ってきてからお茶しようとカフェに入った。
チェーン店のランディ・カフェはどこの店もいっつも混雑しているが、
ここも同じ。
屋外にあるテラス席が空いていたのですぐさま席を取り、
咲枝を座らせておいて私がドリンクを買いに行く。
アイスコーヒーを2つ買って戻ると入れ替わりに、
今度は咲枝がスィーツを買いに行く。
人気のバナナマフィンがあったよと、咲枝は体を揺らして嬉しさを表した。
「やったよ、バナナマフィン!食べたい時に限って売切れててさぁ。
なんかさっそくお参りの御利益があったみたいじゃない?」
「おおげさだねぇ、それにあの神社、食べ物は関係ないじゃん」
「でもさ、お参りしてすぐに良い事があったんだからやっぱり御利益だよ、御利益!」
お手拭きで手を拭いてからマフィンに手を伸ばした咲枝だったが、
何を思ったのか急に手をひっこめた。
「そうそう、手が汚れる前にっと・・さっそくいただいた御朱印、
じっくり見よっと」