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梅の湯物語
第11章 荒野の三人
三太の手に重ねたままサインをする瞳。

「ありがと」

三太を見上げた瞳は色っぽく微笑む。

「ねえ、今お客さんいないから何か飲んでいかない?」

ゆったりと話す瞳に

「い、いえ。僕未成年だし...」

「いいじゃない。ジュースだってあるわよ」

瞳に手を引かれ奥のテーブル席に座らされる。

三太は言葉も出せず目と口をパクパク

「コーラでいいかしら」

目の前に置かれたコーラ
まともに頼んだら何千円もする高価な代物
スーパーなら100円だが飲み屋になると女が出すというだけで価値が跳ね上がる不思議なものだ。

「今日は暇なの。少し付き合ってくれない?」

自分の水割りを片手に瞳は三太のとなりに座る。

三太はゴクリと唾を飲んだ。

「いただきます」

目の前のコーラをイッキ飲みする
口につけた瞬間、酒屋の息子はただのコーラではないことに気付いたがそこは男
騙されることにした。

「なんか...フワフワする」

三太は瞳に寄りかかる

「あらやだ!
 間違えてウイスキー入れちゃった」

“男食いの瞳”とこの界隈で有名な彼女

三太もあわよくば
狙っていたことは否定しない。





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