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梅の湯物語
第13章 関西からのお客さま
「汐さん、汐さん!」
庭の向こうから良太さんが小走りでやって来る。
微笑んだ汐さんが
「どうしたんですか、走ってたりして」
クスクスと笑う。
「それが...」
コホンとひとつ咳払いして
「梅の湯にいる皆さんが汐さんを連れてこいって。
みんなでお昼を食べようって。
すごいんだよ、遠足みたいにお重が並んでる。
話しを聞けば毎日こんな調子らしいんだよ」
良太さんは心なしか弾んでいる。
「随分嬉しそうですね。
なんか少し若返ってるみたいですよ」
「え?!ん...ま
まさに 桃源郷だよ」
ちょっと泳いだ目をお梅に向ける。
「千鶴の指南を受けましたかね?」
お梅が意味深な言葉を向ける。
「いやっ さすがに...
汐さんがいるのにそんなことはできないですよ」
良太さんは慌てている。
「それもそうだね」
お梅は笑っている。
汐さんが不思議そうに良太さんを見る。
「ま、まあ...
とにかく行ってみないか。
でもな、汐さん、
何を見ても驚いちゃいかん」
汐さんはずっと不思議そうな顔をしている。
「行っておいでなさいな。
私は少し昼寝をさせてもらうから。
そうそう、奥の座敷を好きに使ってくださいな。
世話を焼いてくれる人が一杯いるんで掃除はできてますよ。
よかったら泊まっていってくださいね」
お梅はそう言うと襖を開けて隣の部屋へと消えていった。
庭の向こうから良太さんが小走りでやって来る。
微笑んだ汐さんが
「どうしたんですか、走ってたりして」
クスクスと笑う。
「それが...」
コホンとひとつ咳払いして
「梅の湯にいる皆さんが汐さんを連れてこいって。
みんなでお昼を食べようって。
すごいんだよ、遠足みたいにお重が並んでる。
話しを聞けば毎日こんな調子らしいんだよ」
良太さんは心なしか弾んでいる。
「随分嬉しそうですね。
なんか少し若返ってるみたいですよ」
「え?!ん...ま
まさに 桃源郷だよ」
ちょっと泳いだ目をお梅に向ける。
「千鶴の指南を受けましたかね?」
お梅が意味深な言葉を向ける。
「いやっ さすがに...
汐さんがいるのにそんなことはできないですよ」
良太さんは慌てている。
「それもそうだね」
お梅は笑っている。
汐さんが不思議そうに良太さんを見る。
「ま、まあ...
とにかく行ってみないか。
でもな、汐さん、
何を見ても驚いちゃいかん」
汐さんはずっと不思議そうな顔をしている。
「行っておいでなさいな。
私は少し昼寝をさせてもらうから。
そうそう、奥の座敷を好きに使ってくださいな。
世話を焼いてくれる人が一杯いるんで掃除はできてますよ。
よかったら泊まっていってくださいね」
お梅はそう言うと襖を開けて隣の部屋へと消えていった。