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梅の湯物語
第13章 関西からのお客さま
その時奥の引き戸がカラッと開き、白地に藤の花の柄を裾に描いた品のある着物に身を包んだ女性が現れた。
少し襟を抜いて女も見惚れる女性。
ここのなかでもきっと年上の方だと思うが背筋をシャンと伸ばし仕草はとても色っぽい。
「千鶴さん、お出掛けかい?」
声をかけた仙吉に
「昔のお馴染みさんから呼ばれてね。
ちょいと出てくるよ」
男性に向けた流し目に爺さんたちは完全にヤられている。
「やっぱり千鶴さんは別格だね」
富美の隣にいた多恵がため息混じりに呟く。
うなじを撫でながら出て行く千鶴に全員が見惚れていた。
「雰囲気のある人ですね」
汐さんが呟くと
「千鶴さんは若い頃、赤坂や神楽坂で有名な芸者さんだったんだよ。
大物政治家や資産家なんかと浮き名を流してたって有名だよ。
でも誰のお妾さんにもならなかったらしいからね
爺さんたちにとっちゃ高嶺の花さ」
なるほどと汐さんは何度も頷いた。
見ると千鶴さんの残り香を追って目を閉じて鼻をクンクンさせてうっとりしている爺さんもいる。
少し襟を抜いて女も見惚れる女性。
ここのなかでもきっと年上の方だと思うが背筋をシャンと伸ばし仕草はとても色っぽい。
「千鶴さん、お出掛けかい?」
声をかけた仙吉に
「昔のお馴染みさんから呼ばれてね。
ちょいと出てくるよ」
男性に向けた流し目に爺さんたちは完全にヤられている。
「やっぱり千鶴さんは別格だね」
富美の隣にいた多恵がため息混じりに呟く。
うなじを撫でながら出て行く千鶴に全員が見惚れていた。
「雰囲気のある人ですね」
汐さんが呟くと
「千鶴さんは若い頃、赤坂や神楽坂で有名な芸者さんだったんだよ。
大物政治家や資産家なんかと浮き名を流してたって有名だよ。
でも誰のお妾さんにもならなかったらしいからね
爺さんたちにとっちゃ高嶺の花さ」
なるほどと汐さんは何度も頷いた。
見ると千鶴さんの残り香を追って目を閉じて鼻をクンクンさせてうっとりしている爺さんもいる。