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梅の湯物語
第13章 関西からのお客さま
「あらあら、こんな時間。
そろそろ来るよ。
ほらみんないつまでも裸でいると嫁に怒られるよ。
さあ、服を着な」
富美の叱責
老人たちがのそのそと動き出す。
食べ散らかしていた食器を片付けて手提げからガサゴソとお菓子を取りだしテーブルへ乗せる。
そうしているうちに入り口の辺りが賑やかになってきた。
「ただいまーーー!!」
子供たちが一人二人と駆け込んでくる。
「ああ。お帰り。
学校はどうだった?」
「あのね」
といってお菓子に手を伸ばす子供の手をピシャリ。
「手を洗ってうがいをしておいで。
ランドセルも下ろして」
「はーい」
さっきとはうって変わってみんなお爺ちゃんお婆ちゃんの顔をしている。
良太さんと汐さんは初めビックリしていたが、次々に現れる元気な子供に笑顔がこぼれる。
「なんか、いいですね」
「そうだな」
手を洗いお菓子を頬張りながら今日の出来事を老人たちに忙しなく話す子供たち。
銭湯の脱衣所が子供の声で溢れている。
「あれ?今日は彩希ちゃんの姿が見えないね」
「さきはね、お家の人とハワイに行ったんだよ
いいよねぇ」
「そうかい。ゴールデンウイークだもんね」
なんて会話も聞こえてくる。
良太さんと汐さんが微笑ましく子供たちを見ていると
「あれ?お爺ちゃんたち見ない顔だね?」
なんて大人ぶった子供が。
「ああ。お梅さんのお友だちでね。
大阪から遊びに来たんだ」
良太さんが答えると
「大阪ぁ??」
あっという間に子供たちに囲まれる。
あちこちから質問の声。
一つ一つに答えていると
「さあ、そろそろ宿題片付けねぇとな」
仙吉さんの声
「はぁーい」
子供たちはランドセルから宿題を取りだし。
爺さん婆さんを先生?生徒に宿題に取りかかりはじめた。
「なんかいいですね、良太さん」
汐さんが微笑みながら子供たちを見つめると
「そうだな」
と良太さんの声
子供たちが宿題を始めると、一人二人と老人たちが帰ってゆく。
庄五郎の姿もいつの間にか消えていた。
「俺たちも戻るかい」
「そうですね」
良太さんはにっこり笑って汐さんの手を繋いだ。
「あら」
汐さんは嬉しそうに良太さんを見つめる。
二人は笑いながら梅の湯を出ていった。
そろそろ来るよ。
ほらみんないつまでも裸でいると嫁に怒られるよ。
さあ、服を着な」
富美の叱責
老人たちがのそのそと動き出す。
食べ散らかしていた食器を片付けて手提げからガサゴソとお菓子を取りだしテーブルへ乗せる。
そうしているうちに入り口の辺りが賑やかになってきた。
「ただいまーーー!!」
子供たちが一人二人と駆け込んでくる。
「ああ。お帰り。
学校はどうだった?」
「あのね」
といってお菓子に手を伸ばす子供の手をピシャリ。
「手を洗ってうがいをしておいで。
ランドセルも下ろして」
「はーい」
さっきとはうって変わってみんなお爺ちゃんお婆ちゃんの顔をしている。
良太さんと汐さんは初めビックリしていたが、次々に現れる元気な子供に笑顔がこぼれる。
「なんか、いいですね」
「そうだな」
手を洗いお菓子を頬張りながら今日の出来事を老人たちに忙しなく話す子供たち。
銭湯の脱衣所が子供の声で溢れている。
「あれ?今日は彩希ちゃんの姿が見えないね」
「さきはね、お家の人とハワイに行ったんだよ
いいよねぇ」
「そうかい。ゴールデンウイークだもんね」
なんて会話も聞こえてくる。
良太さんと汐さんが微笑ましく子供たちを見ていると
「あれ?お爺ちゃんたち見ない顔だね?」
なんて大人ぶった子供が。
「ああ。お梅さんのお友だちでね。
大阪から遊びに来たんだ」
良太さんが答えると
「大阪ぁ??」
あっという間に子供たちに囲まれる。
あちこちから質問の声。
一つ一つに答えていると
「さあ、そろそろ宿題片付けねぇとな」
仙吉さんの声
「はぁーい」
子供たちはランドセルから宿題を取りだし。
爺さん婆さんを先生?生徒に宿題に取りかかりはじめた。
「なんかいいですね、良太さん」
汐さんが微笑みながら子供たちを見つめると
「そうだな」
と良太さんの声
子供たちが宿題を始めると、一人二人と老人たちが帰ってゆく。
庄五郎の姿もいつの間にか消えていた。
「俺たちも戻るかい」
「そうですね」
良太さんはにっこり笑って汐さんの手を繋いだ。
「あら」
汐さんは嬉しそうに良太さんを見つめる。
二人は笑いながら梅の湯を出ていった。