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梅の湯物語
第13章 関西からのお客さま
奥のお梅の自宅に戻るとお梅は縁側でインコの守さんと日向ぼっこをしている。

二人の姿を見つけて

「どうでした?」

「いやぁ、なんていうか。
 おもしろい銭湯だね。
 主のお梅さんがいないのに、すっかりみんなの憩いの場だ」

お梅はふふふと笑う。

「あの時、大阪から帰ってきて梅の湯を閉めるといったらね、町のみんなが続けようって。
 みんなの好きにさせてたらあんなになったんですよ」

良太さんと汐さんも縁側に腰を下ろし

「なかなかできることじゃないけど
 理想だな」

良太さんが呟く。

「波の湯さんはどうですか?」

「まあ、ぼちぼち。
 でもあとを継いでくれるものもいなそうだから俺たちの代で終いだろうね」

良太さんのちょっと寂しそうな声

「なるようになりますよ。
 それにもし終いだとしたらそうゆうもんだと思うしかないね」

そうだねとみんなで頷く。

「少し奥で休んだらどうですか?
 布団も用意しておきましたよ」

「あら、お梅さんに手間をかけさせてしまって」

汐さんが申し訳なく言うと

「いえいえ、若いもんが何かと気にかけてくれてね。
 掃除も食事の用意もしてくれるから、私は何にもしなくてもいい。
 極楽ですよ」

なんてお梅は笑っている。

「そうそう、今夜はお二人の歓迎会をするって言って張り切っていたから、本当に休んだ方がいいですよ」

お梅が意味ありげに笑う。

「さてと、私は番台に上がってきますね。
 お茶でもなんでも好きに使ってくださって構いませんから」

そう言うとインコの守さんと梅の湯へ歩いていく。
ゆっくり歩いてゆくお梅の後ろ姿を見つめながら

「じゃ、お言葉に甘えるとしようか。
 汐さんも疲れたろ?」

「そうですね。
 いろんな意味でちょっと疲れました」

二人は見つめてにっこり笑い縁側から立ち上がった。

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