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第13章 関西からのお客さま

賑やかな声に良太さんと汐さんは目を覚ました。

「なんでしょうね」

身支度を調え襖を開けると

「テーブルもうひとつ必要じゃないか？」

「グラスは何個あれば足りるの？」

「そろそろ波の富士のちゃんこが届くぞ」

大勢の人たちがわさわさと動いている。
座敷を三部屋も使ってテーブルが連なっている。

「いったい何が始まるんでしょうね」

汐さんが不思議そうに呟くと

「お！良さん
　もう少し待っててくれるかい」

仙吉に声をかけられる。

「何が始まるんです？」

仙吉に問いかければ

「お二人の歓迎会に決まってるじゃないか」

と満面の笑みで返される。

「歓迎会って...」

いったい何人来るのやら。
テーブルが設置されると座布団が敷かれ
グラスや皿が置かれ、手際よく宴席の準備が調えられていく。

寿司やオードブル、はてはちゃんこ鍋まで
食べきれないほどの料理が並ぶ。

「良太さん」

驚く汐さんの言葉に

「ああ。なんか大変なことになってきたぞ」

二人が驚き賑やかな座敷を呆然と見つめるなか

「なぁーに、お二人にかこつけて皆で飲みたいだけだから気にしなさんなって」

達吉が声をかける。

準備が整った頃、お梅が戻ってきた。

「こりゃまた、偉い豪勢だね」

「そりゃそうだよ。
　お梅さんの大事なお客さんなんだ。
　失礼があっちゃ梅之木町の名折れだ」

なんて隆まで言っている。