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梅の湯物語
第2章 深夜営業やってます
年は40を少し過ぎた頃だろうか。

雅樹に背を向けて服を脱ぐ女性は雅樹の視線に気づいていない。

ワンピースをパサリと落とすと無駄な肉のない
きれいな背中が現れ
下着を取った尻はツンと上を向いて
柔らかそうな細い腰は思わず抱きしめたくなる。
ただ痩せているだけではない年相応の女の色気を醸し出す後ろ姿に雅樹は目を奪われていた。

少し長めの髪をバレッタでとめると細いうなじが現れる。後れ毛が色っぽい...

女性はため息をつく雅樹に気づきもせずに前を手拭いで隠して風呂場へ入っていった。

番台からは洗い場もよく見える。

片膝をついて肩に湯をかける女性の仕草に
雅樹はドキドキしていた。

ボーッと女性を眺めていると


「混浴ってありますが大丈夫ですか?」

入ってきたのはスーツを着たダンディーな男。

この男も梅之木町では見かけない顔

「えっと...
 女性がお一人入ってらっしゃいますが」

「そうですか...少し待ってた方がいいですか?」

正統派の紳士

「ん...ま、
 混浴なのは分かっていると思いますし
 お二人ですから離れた場所なら問題ないと思いますよ」

「そうですか」

雅樹はたまたまとはいえあの女性の裸を間近で見られる男が羨ましかった。

男は金を払いスーツをハンガーにかけロッカーへしまうと静かに風呂の扉を開けて入っていった。





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