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梅の湯物語
第5章 放課後保育もやってます
達吉の存在を完全に無視して男子は体を洗う。

そして全員が洗い終わった頃
目配せをする。

「三太」

小さな声で手招きされたのは柔道部の猛者。

頷いた三太は浴槽の壁に手をついてしゃがむ。
その肩にバスケ部の祐輔が乗り
最後に陸上部の彬が乗る

その隣ではラグビー部の陽斗が土台となり
野球部の蒼太、卓球部の龍平が上になる。

「いいか?」
小さな声で合図をして壁伝いに立ち上がる。

他の男子は壁に張り付いた。



その頃女湯では静かになった男湯の異変に気づき
掃除用のホースを蛇口に繋ぐ。

黄色いケロリンの桶を片手に臨戦態勢。


「見えたか?」

「まだだ」

「三太もう少し立ち上がれ」

「どうだ、見えたか?」

「もう少し」


男子の黒い頭が見えると...


佳菜子が恵美に合図をする。
恵美は蛇口の栓を全開にした

「スケベ男ーーーーーーー」

女湯からの放水攻撃。


「うわっ わっ わっ」

男湯ではバランスを崩した男子がバシャンバシャンと湯船に落ちる音

その上にケロリンが降ってくる

コーン
カーン

ケロリンが頭に当り

「いてて」

「なにするんだよ!!」

「こっちの台詞よ、スケベ男」

壁を隔ててケロリンが飛び交う





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