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梅の湯物語
第7章 湯上がりラムネをご一緒に
桜の正面でニコニコ笑顔の雅人

「あの...」

桜はレモンスカッシュを一口飲んで雅人に話しかけようとした。

「ん?」

笑顔で首を傾げる雅人

男の人と二人なんてはじめてだから...

「勉強 見てあげるよ」

さりげない雅人の言葉

「あ、はい」

桜は少しホッとして教科書とノートを出した。

明日のテストは数Ⅰと現代文と地理
桜は数学が苦手

数学の問題を見ながら親指の爪をかじっていると

雅人が椅子から立ち上がって桜の座るソファー側に来た。二人用のテーブルは体を密着しないと隣の人にぶつかってしまう。
体を斜めにした雅人は桜の腕に体をくっつけて
ノートを覗き混んだ。

またも桜の心臓が跳ねる

「あーこれはね 公式を使うんだよ」

「え?」

雅人の顔を見ようとして
その近さに桜は驚いた。

「桜ちゃん」
と動いた唇が桜の唇をチュッと音を立てて掠めていった。

...何? いまの

桜は目を見開いて雅人を見た。

「桜ちゃん かわいい」

耳元に囁かれる雅人の甘い声

桜はぎゅっと目をつぶって下を向いた。

「ごめん 驚いた?」

桜は強く頷いた。


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